全国木造建設事業協会は11月21日、大阪府立北大阪高等職業技術専門校にて大工技能者を対象とした木造住宅の断熱施工技術研修会を開催した。工務店や施工店の大工、営業など 9 名が参加。断熱施工の方法だけではなく、現場における施主とのやり取りや懸念されることについての座学・実技を学ぶものとなっていた。
同研修会は国土交通省補助事業として、25 年度の新築省エネ基準適合義務化を見据え、大工技能者の断熱施工技術取得を目的に今年6 月から開始したもの。28 都道府県 36 か所で順次開催している。大阪会場では大阪府に拠点を置く細越工務店の細越昇社長、前川工務店の前川利昭社長が講師として研修を行い、断熱材のカッティングから、施工方法の説明が行われた。断熱材の施工では、上部からではなく土台から行い、上部で余白分を取り除く必要があるとし、土台付近でカットすると、床を傷つける恐れや、余分に取り除いてしまうなどの注意点について説明。また施工で施主が立ち合う現場も多いことから、留意点として断熱材に表記されている各メーカーのロゴなどを上下逆さまに施工しないことや、カッティングの際、長さはシートからではなく、中の断熱材を実寸として測ることなどが挙げられた。ロゴの上下については「逆で施工しても断熱性能は変わらないが、現場を見ている施主などは、SNSなどで情報を得ており、上下が逆で施工されていることを間違いだと認識している方も多い。そのような点から性能は変わらずとも、必ずメーカーや製品名のロゴの上下に気を配る必要がある」(細越社長)とし、現場で危惧する内容についても同研修会で学べる内容となっていた。
大阪会場は来年1月にも開催予定で、主催である JBN 大阪の板垣優子事務局長は「施工技術の習得はもちろん、実際の現場で起きる様々な懸念点なども予習することが出来る。多くの断熱施工に係る方に参加していただきたい」と話した。

■研修会の様子
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